私の決心
「お腹空きましたよね?何にしますか?」

あれからずっと無言だった私達。

席に案内されて、園田君がやっと口を開く。

我に返った私は反射的に答える。

「…たらこスパゲティーで。」

そう答えた私はまた武田部長を思い出していた。

確か初めてご馳走になった手料理。

その後も何度かリクエストして作ってもらった。

「課長は、好きな人がいるんですか?」

単刀直入に切り込んできた園田君。

もう遠慮は無しみたいだ。

「恋愛から離れてるって言ったでしょ?」

仕方なく私は答える。

部長の事はまだ触れないでおこう。

「じゃあ、俺と新しい恋愛を始めてみませんか?」
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