1cmの勇気
 「フフ~ン♪  フ~ンフンフンフフン♪」


 ついつい浮かれながらお皿を洗っていたら、


 ガシャン。


 手から、お皿が落ちちゃった。

 「ナツメ、大丈夫!?」


 「ご、ごめんなさい!!」


 「ケガは!?」

 
 優斗くん、すごい一生懸命に心配してくれてる。


 不謹慎だけど、今ちょっと嬉しいかも。


 「大丈夫・・・・痛っ」


 大丈夫、って言いながら割れたお皿を拾った私の指が、破片で切れてた。

 「見せて」


 優斗くんは、私の人差し指から出血しているのを見て、洗剤がしみないように手を洗わせた。



< 278 / 298 >

この作品をシェア

pagetop