1cmの勇気
 「ナツメ、風呂沸いたから先に入ってきていいよ」


 「ありがとう」


 

 もう、一日も終わりかぁ。

 当たり前だけど、お風呂って落ち着くな。

 暖かくて、湯気も立ってて、すごく気分がよくなるの。


 さっき切れてしまった指に、ちょっとだけしみるけど、一日の疲れが抜けてく感じ。



 「このままじゃ、キスどころか手もつなげないな・・・」


 
 私だって、少しくらい触れてほしいと思うもん。


 優斗くん、我慢してることくらい私にも分かるもん。


 だから、いつも私のペースに合わせてくれて・・・なんかすごく申し訳ないなって思うの。
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