不思議の国の女王様
❤異世界へのプロローグ
*少年と本
――バカをした。
それもおそらく、人生最大の。
よって、これ以上のバカをすることもないだろう。
少年には、もう後がないのだから。
濁った空。
光など届きはしない、路地裏。
いまだ去らぬ硝煙の匂い。
「……ッ!」
自分の身体すら重く感じ、全体重を硬い壁に預けた。
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*少年と本