不思議の国の女王様
 
「ふむふむ、美しいのは恒例だが、少年とはねぇ……おかしなこともあるもんだ。まぁ、彼女も気に入るだろう」


「ちょ、待ってくれよ! どういうことなんだ、アリスって!」


「それは僕に聞くべきことじゃない」



 不敵な笑みを浮かべながら、ネコはシマシマの尻尾を優雅に揺らす。



「キミがなぜここに来たのか、それはキミにしかわからない。

 ただひとつだけ言えることは、キミが失くしたものを探しに来たんだっていうことだよ」


「それって俺の本のことか!?」


「さぁね。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。答えがほしいなら、進んでごらん。

 この先に湖畔があって、近くに帽子屋がある。そこを訪ねれば、おのずと次の道が見えてくるはずさ」
 
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