不思議の国の女王様
 
「お前が出歩きたいと言った結果だろう。白ウサギには供をさせただけ」


「よく言うよ。それで開いた裁判で、何のためらいもなく死罪判決出したろ。

 この前の『お前を守る』って言葉はウソか? 冗談か? 俺の空耳か?」


「秘密裏に動けと言うのに、お前が派手にやらかしたせいだバカ者。おかげでトランプの一般兵に知られてしまったではないか。

 もともとハートの女王は、アリスに対して敵対心を持っている設定なのだ」


「うわぁああ、動じねぇのがムカツク! バカにしてんの? チビのクセに!」


「はぁ……気にせず職務に戻れ、白ウサギ。仕事がはかどらぬと、裁判長がボヤいておった」


「盛大なため息とともに話変えんな!」


「あっ、ホントだ、もうこんな時間! 行かなきゃ!」


「お前も無視すんな!!」



 金の懐中時計を確認した白ウサギは、ぴょこんと立ち上がる。
 
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