不思議の国の女王様
 
 力なく垂れた頭。



 手のひらを滑った本が、冷たいアスファルトに投げ出される。





 少年の長いまつげの間から、一筋の雫が零れ落ちた。



 白い頬を伝い、開いた1ページへじわりとにじむ。



 直後、にわかに本が光を発したことを、静寂以外は知らない。
 
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