三角の距離
-ひろきside-


俺はただふっかじゃなきゃだめなんだって言いたかっただけなのに、いろんな思いが感情が溢れた。




「なぁちゃんが俺をえらんだんじゃなくて、俺がふっかからなぁちゃんを取ったんだ。わかってよ。俺じゃだめなんだって。」




「俺にはそんなこと出来ない。」




即答だった。



それにふっかなら言うと思った。



でも気遣わないでよ。



その方が辛くなるじゃん。




「出来る出来ないじゃない。やるかやらないか。俺の為を思ってくれるならやってよ。」




「でも…」




立ち上がって俺の顔をじっと見る。



俺は首を横にふった。



シュンと肩をなでおろし足元に目線をやる。



そして少しの沈黙を破った。




「じゃあ、5時な。」




パッと不思議そうに顔をあげた。




「5時に教室で待ってて。」




「お前部活…」




「俺じゃねぇよ。」




ふっかは、理解したようだった。



だからか、悲しそうな顔をしていた。



そんな顔すんなよ。



幸せになって欲しいんだ。



笑ってよ。



そんな思いも込めて




「任せたからな!」




一言言い残して屋上をあとにした。

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