私に恋を教えて王子様!!
「うわ!バカ!!」

バッシャーン!!
と水の音がする。

見ると高幡君が押されてプールの中にダイブしていた。

「やめろよ~!」

とスゴく楽しそうにしている高幡君を見てふと思い出す。

彼女のために…

その言葉が頭にこびりついて離れない。周りの女子達は泳ぐのを忘れて男子達に見入る。
私はそれを忘れる為に構わず泳ぎ続けていた。

「ぷはっ…!」

泳ぎきって顔を水から上げる。

「お疲れ、はい!」

そこにはゴリーがいた。
はい、と差し出した手に掴むかどうか悩む私…

「あ…ごめん。やだよな」
「いや、ううん。違うよ!全然嫌じゃない!逆に嬉しいよ!」

するとゴリーが顔を見せないように笑う。

「じゃあ、どうぞ!」

「へ…?」

嫌な思いをゴリーにさせたかと思った私は間抜けな声しか出せない。

「ほら、はい」

ゴリーの手と繋がる私の手
(ドクン!ドクン!)

と胸が高鳴る。

「冷たいな…大丈夫か?」
と私の頭にタオルを乗っける。

「使っていいから」

「あっありがと」

ゴリーはそういうとプールの中に戻って行った。

「ゴリーの匂いする」

私はゴリーに包まれている気がした。


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