私に恋を教えて王子様!!
「なにそれめっちゃいい話じゃん!」

目頭を押さえてあーちゃんがうるうるしている。

「だから結局誰かわからないんだ」

と納得していた。

「何話してんの~?」

ゴリーがパンをかじりながら聞いてくる。

「え、恥ずかしい話だから聞かなくていいよ!」

私は慌てて話を変えようとするとあーちゃんが口を開く。

「愛結に告白してきた人の話だよ。」

ゴリーの顔が険しくなったのがわかった。

「へー。最近?」

ゴリーの冷たくて低い声にびっくりした。

「卒業式だから、そんな顔しないの」

あーちゃんがパンッとゴリーの顔の前で手を叩く。
そして小声で何か話していた。

「ごめん。俺眠いから。」
あーちゃんと話が終わるとそう言って自分の机に帰って行く。

「どうしたの?ゴリー?」
私が聞くとあーちゃんがしんみりした顔をする。

「早く気づいてあげてね」

それだけ言うあーちゃんに何も言えなくて悲しかった

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