私に恋を教えて王子様!!
「トンッ」

わざと梅津君にぶつかると
「すみません」

と梅津君が私の方を見て謝る。

「あっ!愛結ちゃんじゃん!ヤッホー」

梅津君は私の頭をなでなでしてくる。
隣の横島さんはスゴく嫌そうな顔をしていた。

「愛結ちゃん、久しぶりだね!今日は何してるの?」
間に入って場所を譲らない横島さん。

「あっ…今日はですね。臨海学校のためにあーちゃんと日焼け止めとかを買いにきているんです。」

「あーちゃんって君とよく一緒にいる女の子?」

梅津君が私に聞く。

「あれ?あーちゃんどうしたのかな…?」

と茂みにいるあーちゃんを手招きすると梅津君が笑い出し

「へっ!?あんなとこにいるの~?」

梅津君は、あーちゃんって人おもしろい人だな
とあーちゃんの方へ行く。

「ちょっ!陽!!」

置いてけぼりの横島さんはその場でジタバタしていても動こうとはしない。

梅津君が手を差し出すと
真っ赤になったあーちゃんが草から顔を出した。

「皆で周らない?」

何か話ながら梅津君とあーちゃんが来ると私は皆に提案してみた。

「ごめんね、今日は陽と遊ぶ約束してたから~」

梅津君と腕を組始めた横島さんが言うけれど
梅津君は

「ナイスアイディア!」

と乗り気で今、高幡君とゴリーを呼んでくれるらしい。

「ありがとう!梅津君!」
梅津君にお礼を言うと照れくさそうに頭をかいて

「実は、横島さんと二人は正直キツかったんだ。逆にありがとう」

内緒ね…と言う梅津君を見てびっくりした私だが、黙っていることにした。

数十分後、高幡君とゴリーが揃って皆で遊ぶ事になった。


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