私に恋を教えて王子様!!
誰かに向けてこの気持ちがあるのかはわからないけど、あーちゃんによると
ドクンッ!とドキドキ!がつまったものが恋ってやつらしい。

「恋なんていつ来てもおかしくないんだよ、だから良く観察しとくんだよ、愛結…応援してるから」

っと帰り際、おでこにデコピンが私の心を暖めてくれた。

昼休みに図書室で本の整理をしながらあーちゃんに言われたのを思い出してニコニコしていると、

「おい…」

と声がかかる。

「はい…?」

低い声にビクッとして振り返ると

「あ、高幡君か…どうしたの?」

図書委員を遅れているわけじゃないし、何か悪いことしたかな!?
と考えを巡らせておどおどしてると

「顔…」

「顔…?」

顔ってなに?

「顔がうるさい。」

そう言うとそそくさカウンターへ帰ってしまう。

顔がうるさい…?
良くわかんない…。高幡君…頭大丈夫かな…?

いらない心配をしてると昼休み終わりの予鈴がなる。
「帰ろっか、顔がうるさい松村さん?」
と私に高幡君は声をかける。

「え…」

私がびっくりして硬直してると

「早くしなよ。閉めちゃうよ?」

と言うので慌てて図書室を出て鍵を閉めた。

並んで帰るのか…緊張するな…。

バクバクの心臓の私と高幡君で帰ることになった。
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