不器用恋愛。

優しい男

お風呂からあがると着替えが置いてあった。
着替えを用意してくれる何て意外と優しい…？
そんな事を思いながら服を着始めた。

頭に浮かぶのは昨夜のこと。
3年間付き合っていた彼氏――斗真に振られ、お気に入りのカフェに行ったところまでは覚えているのだが、そのあとが全く思い出せない。

とりあえず、何がどうなって私とあの男が一夜をともに過ごす事になったのかを思い出したい。

彼氏に振られたその日に別の男と寝るってどうなんだ、と自分で自分を嘲笑う。

生憎、今は夏休みだから斗真と顔を合わせる必要はないが、あと二週間で夏休みが終わると思うと憂鬱だ。