ホワイトデーにXXXX
疲れた身体と心に、ゆっくり、優しい甘さを届けて、解してくれるようだ。

「うまい!」「ちょうどいい甘さだ」みんなの誉め言葉に

「私、やればできる子なんです!」

と、「エヘン」と胸を張る。

「うまいよ。腹が減っているせいかな?」

ちょっと意地悪な事を言って、彼女を見れば

「もちろん、それを考慮してのこのタイミングです!」

と言って、二ッと笑った。

全く・・・こういう所、彼女には敵わないと思ってしまう。

彼女は、ブラウニーのようだと思った。

甘過ぎず、ちょっと歯ごたえもあって、どこかホッとする・・・

あの時、ブラウニーを味わったように、彼女の事も、じっくり味わってみたい。

きっと、あの時のブラウニーより、彼女の方が甘いんだろう・・・



*****




はたと、歩みを止める。

おっ、俺はいったい、何を考えているんだ~~!!

自分の考えていた事に、勝手に顔が熱く
なる。

違う!断じて違う!!

何が違うのか、自分でもよくわからないが、そう頭の中で言い聞かせながら、
頭を振る。

そうしていたら、ふとショッピングセンターの一角に、目が止まる。

吸い寄せられるように、俺はそこに向かった。

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