ホワイトデーにXXXX
「他は、よろしいですか?」

店員が、またきれいな笑顔を浮かべ、俺を見上げながら尋ねてきた。

「あっ・・・」

と、小さく呟く。

営業二課のアシスタント 清水 (しみず)
さんと 林 (はやし) さん。

去年までは、2人で一つの物をくれていたのに、今年は、なぜか別々に渡された。

他の男子社員には、去年と同じ様に2人で渡していたのに・・・

『特別扱い』されてしまったという事に、気が重くなる。

一応、俺が一人の時を見計らって渡された。

なのに、なぜかその事を知っていた高野主任に「お前だけ別にするか?」と、からかわれた。

2人には、ちょっとした物を付け足して、これと一緒に渡そう。

そう決めると、店員に声をかけた。

「お菓子とか、ありますか?残らない物がいいんですが・・・」

「でしたら、こちらの方に・・・」

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