ハローマイキャンディ
★2.2
「……。」
「……。」
「ハロー、あたしカプリ。」
「ちょ、なに自己紹介とかしちゃってんの!」
「しなきゃ失礼かと。」
「そうだけどそうじゃなくて!」
運命のチャイムの直後、いつものごとく普通に許可なく入室してきたのは
俺の彼女、成田りか。
無言の威圧に思わず無言で返したとき、空気を読まない口調で、よりによってカプリが自己紹介をした。
慌てる俺。
へらっと笑うカプリ。
硬直しつつも威圧を増すりか。
ああこれが、噂の三竦みってやつだろうか。
とか、思っていたら。
「あーっ、はじめが女の子連れ込んでる!ちょっとイチコと高田も見てみなよ!」
「マジで?」
「あっ、マジだ!」
よりによって、余計なのまで連れてきていた。
歩く噂拡張マシーンの優希に、やる気のないイチコ、ついでに、顔はいい癖におまけみたいな扱いを受けてる高田…基い、霞が、トーテムポールさながらにドアからにょっきり覗いていた。