好きを百万回。
「まあきっと、木下さんのなんかその真っ白なとこが可愛くてしかたがないんでしょうけど・・・・・」
山岸くんがわたしの手からくしゃくしゃになった伝票を取り上げて新しいものを渡してくる。
真っ白ってなに?山岸くんのクセになんでそんななんでもわかってますよ的な言い方するの・・・・・?
軽くパニックになっているわたしを尻目に山岸くんはテキパキと朝のロビーの準備をこなしてしまった。
朝礼が終わると、開店時間になりお客さまがなだれこむ。師走の銀行はなかなか忙しい。
野波さんも取引先との忘年会が続くようで、平日は会う時間がないらしい。
ちょっぴり寂しいと思うのは我侭だろうか・・・・・。
ぞんざいにならないように、冷たい口調にならないように、窓口のお客様を捌いていると、ニコニコしながらロビーから手を振る人がいる。