好きを百万回。
そう言った野波さんのお箸を持っていない方の手がわたしの頭を撫でる。
忙しいのはわたしだけやないのに。
夜のお付き合いがないだけ、野波さんより身体はラクなのに。
頭を撫でていた手をそっと外し、両手で握る。
「野波さんこそ、身体に気を付けてくださいね。栄養のあるもの食べて睡眠もしっかりとって」
野波さんが驚いたように目を見開いた。
はっとして慌てて両手を引っ込める。
「ご、ごめんなさい!イキナリ手を握ったりして馴れ馴れしかったですか?」
一度おさまりかけたのに、また顔が真っ赤になった。
「・・・・・・・・・・やっぱりお仕置きしとこう」
野波さんがお弁当を傍らに置いた。
「え・・・・・?」
「職場でそんな可愛いく煽られても手が出せへん」