好きを百万回。


唇が離れて、じっと視線を絡められる。

「その声、反則。もう仕事なんかほり投げて連れ出したくなる」

困ったような笑顔で野波さんが呟いて、わたしを抱きしめた。

「の・・・・・なみ・・・・・さん?」

「クリスマスまで我慢なんて、なんの修行なんだか」

背中をポンポンと叩かれて、温もりが離れる。

「タイムアウト。もうすぐ遅番の休憩が終わる。携帯もロッカーになおしに行かなあかんやろ」

「あ、はい」

「折田さんに宜しくね。美味しいもの食べさせてもらいな」

頬をするりと撫でられて野波さんがバイバイと手を振る。ぴょこんと会釈を返して小走りでロッカールームに向かった。

携帯をしまってロッカールームを出ようとしたところで亜弥と一緒になった。
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