好きを百万回。


「こまり?」

両頬が野波さんの手に包み込まれ、上を向かされた。

ポロポロと流れ落ちる涙に野波さんがギョッとして、バスローブの袖で拭ってくれる。

「アホやなあ・・・・・何も泣くことないのに」

「・・・・・だって、呆れてはったでしょ。折田さんも結弦さんも」

「大丈夫。折田さんなんか『結弦の嫁にするからこまりちゃんと早う別れてくれ』って言うてたし」

別れて・・・・・。

どうしよう・・・・・、馬鹿な娘やって愛想つかせてる?

「けど、こまりあの2人に何を話した?折田さんは可愛い可愛いを連発やし、あの腹黒シニカル結弦まで『飽きたら貰うから』って」

「わたし別に何も言ってな・・・・」

野波さんが急にわたしの腕を引き、胡座をかいた野波さんの膝に横抱きにされた。

「の、野波さんーーーー!」



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