好きを百万回。


「オレのカノジョは皆に愛されてて嬉しいけどなんとなくムカつくんだよなあ・・・・・」

「ムカつくって・・・・・」

こめかみに野波さんの唇がつけられる。

「しかも微妙に天然やし」

「そんなことないです!」


ゆでダコのような顔を野波さんに向けて反論すると、片頬をぶにっとつままれた。

「野波ひゃん・・・・・?」

「一晩一緒にいて何もなかったのかとか、バスローブは誰が着替えさせたのかとか、そこらへんは気にならへんわけ?」

「ーーーーーーー!」

「しかもオレのことは『野波さん』で腹黒シニカルは『結弦さん』って名前呼び」

「らってややこひいひ・・・・・」

「昨夜何があったのか知りたかったら『朔』って呼んでみて」

野波さんが唇の端を微かに上げる。



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