好きを百万回。
頬が触れそうなほどの近さで、全身が鼓動をうっているように感じるほど心臓がうるさい。野波さんは絶対わたしを揶揄って遊んでいる。
「さ・・・・・」
寝起きだからか眼鏡をかけていない野波さんは見慣れなくて、普段とは違う色気のようなものが漂っていて・・・・・・・・・・。
「朔・・・・・也さん?」
もうこれ以上、赤くなんてなれないというほど熟れた顔を両手で隠そうとしたのに、唇が温かいものに包まれる方がさきだった。
初めは軽く啄むように、だんだんと強く押し付けられて息が苦しくなる。唇が離された刹那、酸素を求めて開けた口から野波さんの舌が差し込まれた。
決して他人のものが入ることを許したことのない場所に受け入れたそれは、頬の内側を撫で、歯列をなぞる。
耳の下を野波さんの指に悪戯に触られ、首を竦めた。
くすぐったいのに気持ちいい・・・・・。