好きを百万回。
「・・・・・朔也さん」
「よく出来ました」
野波さんはしてやったりという表情を隠しもしない。
「ほな、教えてあげよ」
自分が何をやらかしたのか、覚悟を決める。
「結絃がとったこの部屋まで寝惚けながらも自分の足で歩いてきて、着替えるって言うからバスローブ渡したらバスルームでキチンと着替えをして『おやすみなさい』ってベッドに入って寝ただけ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いやあ、無意識であそこまで出来るってこまりは凄い。スースー寝息たてて無防備な顔して寝てんの見たら却って悪いことでけへんかった」
身体中から嫌な汗が吹き出ているような気がして、血の気が失せていくわたしを見ながら野波さんはどこか楽しそうだ。
「あ、こまりの携帯にお母さんから電話かかってきてたから事情を説明してご挨拶しといた」