好きを百万回。
「いてもいなくても一緒って言われた?」
仕事帰り、久しぶりに亜弥と2人で居酒屋で食事をする。ビールを飲みながら亜弥が怒ったような声を出す。
「しょうがないよ。わたし初対面の人苦手やし、きっと隅っこで一人で飲んでるだけやと思うし」
「アンタさー、ちょっと矢口を見習いなよ。あの娘、すごいよ。親睦会ではカンペキ野波さん狙い。隣に座ってかいがいしくお世話してみんな呆れてるし」
「野波さん、来るんだ」
「野波さん、矢口のことなんか適当にあしらってはるけどね。彼は他の部署の若手や同期と楽しく飲んでるだけみたい」
「女の子は自分からいかなくても勝手に寄ってくるだろうしね」
「そう!なんせ優良物件だから」
亜弥と笑い合う。