好きを百万回。
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「あら、美味しそう」

「あ、アカン!お母さんそれ食べんといて。お母さんのは別にしてあるから」

「ローストビーフに生ハムサラダ・・・・・誰のための手作りクリスマスディナーなんだか」

ニヤニヤしているお母さんを無視してタッパーに入れた料理をトートバッグに詰め込んでいく。

「どこかレストランでも予約したら良かったのに。持って行くのも大変でしょ」

「野波さんもそうしようって言うてくれはったけど、連日の忘年会で外食続きで可哀想だから」

「家庭的なとこもアピールできるし?」

「お母さん!」

この前、結局車で野波さんに家まで送ってもらい、お母さんに紹介することになった。一目で気に入ったらしく、朝帰りの娘を叱ることもせず面白がっている。

お母さんは時折咳込みながら、ドリップコーヒーをカップにセットしてダイニングテーブルについて新聞を広げた。
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