好きを百万回。
手放さない 手放せない
隣からスースーと小さな寝息。
少し開いた口、あどけない寝顔。
布団を掛けているとはいえ、何もまとわない裸の肩が寒そうで、手元のエアコンのリモコンで室内温度を一度上げる。
可愛い。
愛しい。
愛情を表す言葉なら、きっとどんな言葉でも当てはまる。
やっと手に入れたこまり・・・・・。
社内一のモテ男と言われても正直自覚もないし、面倒臭いことこの上ない。
会社帰りに待ち伏せされたり、社食で幾人にも囲まれたり。ほっといてくれよと怒鳴らないで済んでいるのは会社だからと我慢しているからだ。
息をつける時間が欲しくてようやく見つけた場所に、また女の子が入り込んできた。内心、舌打ちをしたい気持ちだったのに、その女の子は呆れるほど1ミリもオレに興味を示さない。