好きを百万回。


「言うとくけどワザと違うしな、王子様。まだオレも命は惜しい」

「野波くん、その状態のこまりちゃんを京都まで連れて帰るより泊まった方が楽やろ」

そう言って会長からカードキーを手渡された。

「優しい大好きな王子様なんやと。聞いててこっちが悪酔いしそうやったわ。実は上手に腹黒隠してんのにな」

「やかましい、お前にだけは言われたない」

「オレは正々堂々と腹黒や」

「二人してなんの自慢や。野波くん、早よこまりちゃんをベッドで寝かせてやんなさい。ちゃんと親御さんにも連絡してな」

「ありがとうございました」

会長に御礼を言い、床に膝を着いてこまりの頬を軽く叩くとうっすらと目を開けた。

「・・・・・野波さん・・・・・?」

「こまり、眠いけど頑張ってちょっと立てるか?」
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