好きを百万回。


こまりがノロノロと身体を起こして立ち上がり、ふらつきそうになるので腰を支えてやった。

「折田さん、結弦さん、ありがとうございました」

意識はしっかりしてるのかと思ったけれど、それだけ言うと足に力が入らないのか腰を抱くオレに凭れるように立っている。

「・・・・・野波くんに安心して任せきってるんやなあ。結弦の嫁にしようと思ったのに」

「やりませんよ、苦労して手に入れたのに」
笑いながらも真剣に釘を刺して会長と結弦と別れた。





そう 誰にも渡さない。

今までの恋愛でこんなに相手に執着したことは無い。

初めての夜に疲れて眠るこまりの頭を緩く撫でる。自分からオレに全てを任せてくれたことが嬉しくて、幸せだ。



でも、ごめん。

もうすぐオレはお前を泣かせてしまうかもしれない。

それが分かっていたのに、我慢出来なくてお前をオレのものにしてしまった。

それを知ったときお前は怒るだろうか、それとも身勝手なオレを責めるのだろうかーーーーーーーーー?





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