好きを百万回。


「そんないっぱい入れてたら無理だろ。運んでやるよ」

「あ・・・・・ありがとうございます」

金庫室を出て空いている手近なデスクまで朔也さんの噂話をしていた1人が運んでくれた。

「木下さん、手伝います」
向こうから歩いてきた山岸くんが声をかけてくれる。

「お仕事終わったの?」

「終わりましたよ。ってか課長が手伝ってやれって」

見渡すと営業課の女の子はほとんどがいない。あんまり遅くならないようにと課長が気を遣ってくれたのだろう。2人で黙々と手を動かした。

「なんか顔色が悪いけど大丈夫ですか?」

「大丈夫」
無理に笑顔を作る。

「・・・・・・・・・・泣きそうに見えますけど」

「ーーーーー気のせい・・・・・」

「野波さん、連絡しましょか?」
山岸くんが声を潜めて聞いてきた。

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