好きを百万回。


「だ・・・・・だめっ!」
思わず大きな声が出て、山岸くんが目を丸くする。

「大丈夫だから、何にもないから言わないで」
そこから無言で作業をすすめて、終わった途端に挨拶もそこそこに帰ってしまった。


アメリカ・・・・・?

2年・・・・・?

頭の中でぐるぐると考えが回る。

聞いてない、聞いてないよ。

朔也さん・・・・・・・・・・!



毎日、朔也さんは仕事から帰るとメッセージをスマホに送ってくれる。帰宅が早ければ電話がかかってくることもある。

知らなかったことを知ってしまって、何も知らないふりが出来るほど器用ではないわたしは、電話にでることも出来なければ、メッセージの返信さえできなかった。

勿論、週末に一緒に過ごすこともできない。
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