好きを百万回。
アメリカに行くことを教えてもらえなかったということは、それほどの価値がわたしにはないということ?
自然消滅・・・・・遊び・・・・・嫌な言葉ばかりが頭に浮かぶ。
いつもなら楽しみなキルト教室でさえ沈んだ気持ちを隠すことができない。
「こまりちゃんが全く針をすすめないでレッスンに来るなんて初めてね」
「すいません・・・・・」
「いいのよ。お仕事が忙しかったり気が乗らないときだってあるわよ」
優しく頭を撫でてくれる先生の華奢な手。
全然違うのに大好きな温かい手の感触を思い出して胸が詰まる。
気が付けばポロポロと涙が零れ落ちていた。
「・・・・・朔と喧嘩でもした?」
頭を左右に振る。
「何でも聞いてあげるから話してよ。朔の悪口でも」