好きを百万回。


「悪口なんて・・・・・」

「オレも聞きたいね。ここ一週間ほど連絡を一切無視してることとか」

いつの間にか音もなくドアが開いて、朔也さんが部屋に入って来た。

座っているわたしの傍に立ち、見下ろされて身体が固まる。

「こまり、言いたいことあるやろ。何でも聞いてやるから」

先生がさりげなく席をはずした。

「こまり!」
強めに名前を呼ばれて肩がはねる。泣かずに話さないとと思うけれど、そう思えば思うほど言葉が出てこなくて下を向いてしまい、涙が流れた。

朔也さんがわたしの向かいの今まで先生が腰を掛けていた椅子に溜息混じりに座るのが気配でわかる。

「・・・・・ひょっとしてアメリカの話し聞いた?」

何とかこくりと首を動かした。
2人の間を沈黙が支配する。
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