好きを百万回。
嫌がらせをされていることは朔也さんには内緒にしている。タダでさえ渡米のことや仕事で忙しいのにわたしのことなんかで煩わせたくない。
この2人に話してしまえばきっと気持ちは楽になるのはわかっているけれど、絶対に朔也さんの耳に入れてしまうだろう。
「こまり、あんまり甘く見てたらダメよ?女の嫉妬って結構怖いんやから」
珍しく亜弥が真剣だ。
「亜弥の経験?」
「そうよ。高校のときに付き合ってたカレシが生徒会長とかやってる人気者でね、定番の上履き隠しから始まって罵詈雑言、村八分、思い付く限りの嫌がらせされたわ」
「壮絶・・・・・女って怖っ」
「山岸みたいなんと付き合うなら何にも心配ないけど、相手がスペック高い野波さんやし嫉妬もハンパないでしょ」
「うわ、さりげなくオレに失礼」