好きを百万回。
「亜弥はどうしたの?」
「カレシに言ったけど女の凄まじさに腰が引けたんか知らんぷりされて速攻で捨てたった。わたしの黒歴史やわ」
つ・・・・・強い。
「酷くなるようならちゃんと言うから。心配してくれてありがとう」
まだ我慢できる。
自分に向けられる悪意だったらいくらでも耐えられる。
そんなわたしを嘲笑うように、相変わらずほぼ毎日ロッカーには白い紙が挟まれる。
『野波さんと別れろ』『野波さんには釣り合わない』
随分、書かれる言葉が直接的になった。クリアファイルは日々厚くなる。
人目があるから、やるなら朝早くだろうと見当をつけて早目に出勤すると、その日は朝ではなく夕方に挟まれていたりする。
バカバカしくなって犯人探しは止めた。そのうち向こうが根負けしてくれるんじゃないかと期待して。