好きを百万回。
「そんな顔をしなくてもええわよ。ちゃんと倒れたアナタを偶然通りかかった野波くんに運んでもらってるって見られた人には言ったから」
その言い方は森崎さんにはバレているってこと・・・・・?
廊下から走って来る甲高いヒールの音が近付いてきた。
「こまりっっ!」
亜弥が血相を変えて医務室に飛び込んで来る。
「亜弥・・・・・」
「アンタやっぱり嫌がらせされてたんやないの!!」
亜弥が叫んでロッカーに入れていた例のクリアファイルをベッドに叩きつけた。それを森崎さんが拾い上げて中身を出す。
「・・・・・えげつないことするもんね。反吐が出そう」
森崎さんが一枚一枚繰りながら吐き捨てるように言った。
「あの・・・・・でも実害はないですし・・・・・
いざとなったら然るべき部署にと思って取っておいたんですけど・・・・・」