好きを百万回。
「何言ってんの!?アンタが黙って我慢する必要がどこにあんの!?実害ないってコレ、相当悪質よ!!」
捲し立てる亜弥の勢いに少したじろぎながらも遠慮がちに口を開く。
「でも・・・・・変に騒ぎ立てて野波さんに迷惑かけられないし・・・・・もうすぐ重役面接あるし・・・・・」
「結局そこやの!?わたしに言わせれば彼女がこんな目にあってても何にも教えて貰えないなんて野波さんが可哀想やわ!」
煩わせたくないだけなのに・・・・・わたしの判断は間違っていたのだろうか?
「オレも杉浦に賛成」
いつの間にか現れて、森崎さんの手から紙束をスルリと奪い、パラパラと目を通して綺麗な顔の眉間に深い皺を入れる。
「あら、王子参上?お昼は大分取り乱してらっしゃったけど落ちつかれたようね」