好きを百万回。


「どうした?来るんやったら一緒に帰ったのに」

「急にごめんなさい。どうしても今日話したいことがあって」

手を繋がれて部屋まで連れて行かれる。
ドアを開けて玄関先まで入った。

「朔也さん、結果は?」

いきなり聞かれたことに驚いている。

「来週には正式に発表されると思うけど多分大丈夫やろ。終わった後で矢口常務もよくやったって褒めてくれたし」

良かった。
朔也さんの努力はキチンと報われるんだ。

後はわたしが邪魔をしなければいい。

「とりあえず入ったら?こんなとこで立ち話でもないやろ」

下を向いて首を横にふる。

「こまり?」

訝しげに呼ばれる。

「・・・・・もう入れません」

「何・・・・・?」


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