好きを百万回。


自分で引き出した言葉。


深々と頭を下げて、ドアを開けて外に出る。

まだ泣くな。

心を抉られたのは朔也さんのほう。

足早にマンションを出て、駅へ走る。


終わった。
終わってしまった。

わたしの幸せは、あの温かい腕の中にしかないのに。

初めての恋だった。

釣り合わないとわかっていても、ずっと傍にいたかった。

誰に虐められても、陰口を言われても、わたしにだけ向けられる悪意ならいくらだって我慢できた。



守るから。

あなたの未来を。

きっと輝いていくあなたの将来を。



ほんの何ヶ月かの恋だったけど

一生分の恋だった。



泣きながら地下鉄に乗り、何度も何度も朔也さんに心の中で謝る。

許さなくていいから。

ずっとずっと憎んでもいいから。



わたしのことは早く忘れて幸せになってください。

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