好きを百万回。
「頬に埃」
野波さんの大きな掌がわたしの頬を拭う。
「ありがとうございます・・・・・あの・・・・・?」
頬に当てられた手はそのまま。
野波さんがふうっと息を吐いた。
「大分痩せた?」
かけられた言葉に少し驚く。
「ダ・・・・・ダイエットしてたから・・・・・」
「しょうもないことせんとき。全然太ってなかった。それに少しポッチャリしてるくらいの方が柔らかい印象がして女の子は可愛い」
「・・・・・・・・・・」
相変わらずの綺麗な笑顔。
あんな酷い言葉を投げつけたのに。
「来月、行くよ」
頬に当てられた手がゆっくりと動いて、後頭部にまわる。
引き寄せられて野波さんの胸に顔が埋まった。
息が止まる。
「辛い思いさせて悪かった」