好きを百万回。
「結弦さ・・・・・ん・・・・・?」
「喪主でしょ?しっかりしなさい」
「亜弥・・・・・!」
ぼんやりしているわたしの代わりに結弦さんが葬儀屋さんとテキパキと交渉してくれている。
「銀行はもう森崎さんが色々やってくれてるから。お母さんを連れて帰ってあげないと」
「な、なんで・・・・・?」
結弦さんがわたしの方を見た。
「じいさんがこの病院の院長とゴルフ仲間なんだよ。なんかあったら連絡してくれって頼んであったって」
「細かいことは腹黒専務に任せてこまりはとりあえず元気だそうね。これから大変だし。何でも手伝ってあげるから」
通夜、葬儀と慌しく過ぎていく間、亜弥と結弦さんがずっと傍にいてくれた。
お陰でわたしはパニックになることもなく、初七日まで終えることができた。