好きを百万回。
『大学生だった頃より勉強してるかも』
画面をスクロールしていくと、頑張っている野波さんがそこにいた。
画面が歪む。
「こまり」
向かい側から亜弥がおしぼりを差し出してくれる。
「良かった・・・・・元気そうで・・・・・」
山岸くんにスマホを返す。
「・・・・・夢でもいいから会いたかった。空耳でもいいから声が聞きたくて・・・・悪いのは全部わたしやのに恋しかった・・・・・」
「こまり・・・・・」
「スマホの画面で笑顔を見れただけでもう満足。頑張ってるのが分かって嬉しい」
隣から伸びてきた大きな手に頭を撫でられる。
「小娘が思うてるよりずっとアイツは強かやから安心し」
泣き笑いになって恥ずかしくて、グラスの中身をグイッとあおった。
「あ・・・・・結弦さん、これまた日本酒・・・・・」