好きを百万回。


「今でも大好き・・・・・ずっと大好き・・・・・」

夢の中でなら素直に言える、現実には絶対言えない言葉。

「ごめんなさい・・・・・全部嘘だから・・・・・他の人なんて好きにならへん・・・・・」

溜まっていた想いがこぼれていく。

「こまり」
名前を呼ばれて抱きしめられた。

これはわたしの都合のいい夢。
これはわたしの浅ましい願望。

別れを告げたあの日から、何度も還りたかった腕の中。

しっかりメシ食って、ゆっくり寝て、元気なこまりに戻れーーーーー

空耳でも聞きたいと願った声。


元気になるよ。

もう会えないかもしれないけれど、ちゃんと独りで歩いていく。

心配してくれる人もいるから。

遠い場所で、あなたも頑張っているから。

幸せな夢は深くなる眠りとともに消えていき、目が覚めたときには隣の布団に亜弥がいた。

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