好きを百万回。


「全然。あと少しで完成するし予定日に間に合いますよ」

里佳ちゃんから頼まれたのはハワイアンキルトのおくるみ。雑誌で見て素敵だったからとお願いされた。

「留学前で忙しいでしょ。無理したらダメだよ」

「大丈夫。幸せなプレゼントは縫っててわたしも幸せな気持ちになるし」

カップのコーヒーを一気に飲んで、大崎さんが笑みをこぼす。

「里佳ちゃんがいつも言ってるよ。こまりちゃんといると優しくてホッとするって」

大崎さんの言葉に身体がピクリと反応した。

『木下の横にいるとホッとする』

そう言って想いを告げてくれた人。


「こっこまりちゃん!?」

つうっと頬に涙が伝う。

「ごっ・・・・・ごめんなさい大崎さん、そんな風に言って貰えて嬉しくて・・・・・」
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