好きを百万回。


「うわぁっ!こまりちゃんっ泣かないで~」
焦った大崎さんが頭を撫でる。

「ハンカチ・・・・・!って僕の汗の染み込んだのじゃダメだよね?」

オロオロする大崎さんが可笑しくて、申し訳なくて・・・・・。

「自分のありますから・・・・・」

制服のポケットに手を入れてハンカチを出そうとしたら、先に目を覆われた。

「大崎、なんでこんなとこで女の子泣かしてんの?課長が探してるぞ」

後ろから頭を抱えるようにハンカチを目に当てられる。

「えっ、あっ!こまりちゃん、ごめんね!また後で」
遠ざかる足音。

目に当てられたハンカチを自分で押さえると、後ろから回された手が外された。

「・・・・・大崎になんかされたのか?」

ハンカチを外すと、顔を顰めた野波さんがいた。
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