好きを百万回。
「勝手に別れを切り出して、オレが簡単に納得すると思ったか?次の日銀行で見かけたお前の足の酷い青痣をオレが心配しないと思ったか?」
「ごめーーー・・・・・」
「あのな、小娘。そんな噂程度で留学や出世がダメになるなら朔は銀行を辞めてたと思うぞ。そもそもオレは大学卒業するときに朔にウチに入れって言ってたし、MBAが取りたきゃ留学だってさせたるつもりやったし」
「ま、全ての事情が分かったんが野波さんの渡米後ってのがタイミング悪かったですよね」
「そうそう、わたしと山岸、結構大変やったのよ」
「・・・・・・・・・・?」
「こまり、アンタのカレシはね、爽やかスーパーエリートの皮を被ったただの腹黒」
「そうですね。『こまりに変なムシがつかないようにちゃんと見張っとけ。合コンなんか絶対に禁止だからな』って厳命で」