好きを百万回。


「でもすごく高そうで・・・・・」

「こまりちゃんの美味しい顔が見れるならなんぼでも払うで」

野波さんがさりげなくわたしの背中をポンポンと叩く。甘えていいよって合図なのかな。

次々にお料理が運ばれてきて、勧められるまま箸をのばす。折田さんも野波さんもわたしが食べるとニコニコするからつい食べ過ぎた。

「こまりちゃんは育ちがええね」

「え?」

「お箸の使い方も正しいし、お魚も綺麗に食べるし」

「フ・・・・・フツーの家の子ですよ・・・・・?」

「お母さんの躾がいいんだね」
野波さんが日本酒の猪口を口にしながら言う。

「ありがとうございます・・・・・」
褒められてばっかりで嬉しいけれど居心地が悪い。
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