好きを百万回。
なんとなく誰にも秘密にしておきたいような気がするから。
だからって野波さんと何かが始まるとか期待するような身の程知らずでもない。
所詮、王子様と庶民、きっちりわきまえていますから。
営業時間が終わって、集計も終わり後は片付けたら帰れるかという時間、資料庫に呼び出され、何故だか目の前には土下座をしかねない勢いで頭を下げる山岸くん。
「お願いしますっ!一生のお願いですっ!木下さんを親睦会に連れていかないとオレ、先輩たちに殺されます!」
・・・・・・・・・・おいおい、物騒な話しだな。
「あのね、わたしが行っても気の利いた話しができるわけやなし、合コンやって行ったの数えるのに片手で足りるくらいやの。何を期待しているのかしらないけど楽しく飲みたいならもっとノリのいい子がいっぱいいるでしょ?」