好きを百万回。


「野波さんが寒いでしょ!?いいですよ」

「いいよ。酒飲んで身体があったかいし」
マフラーは野波さんの匂いがする。コロンかな?爽やかで嫌味のない匂いだ。

そうだ。この間借りたハンカチを返さないと。バッグに返すタイミングがなくて入れっぱなしになっていた紙袋を取り出す。

「野波さん、この間はハンカチありがとうございました。お返しするの遅くなってすいません」

受け取った野波さんが紙袋からハンカチを出す。洗濯をして、ちょっとしたお礼のつもりで頭文字を刺繍してみた。

「なんでN?」

突っ込まれないといいなあと思ってたんだけど、鋭いこの人が気付かないはずないか。

「・・・・・すいません。下の名前知らなかったので・・・・・」
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