好きを百万回。
6
「こまりちゃん、よう頑張ったわねぇ。素敵なバッグできたやない」
展示会に出す作品を持ってきたわたしを稜子先生がほめてくれる。
ピンクの地に白いプルメリアのトートバッグ。ちょっと自信作だ。
「先生、明日作品をギャラリーに持って行くんですよね?わたしもお手伝いします」
「あ、ホント?じゃ作品の積み込みとあっちの搬入だけ手伝ってくれる?」
「はい。ご主人の車ですか?」
「それがね、明日から学会で東京なのよ。仕方ないから助っ人呼んだわ」
先生のご主人は大学教授だ。
「そうですか。何時に伺いましょうか?」
「そうね、8時半でいいかな」
「わかりました」
助っ人って昼間の教室の生徒さんかな。今日はちゃんと寝て、明日に備えておこう。