好きを百万回。
「こまりちゃん、良かったら朔のことどない?ウチの両親海外だし、ウルサイこと言わない人達やし、本人も世間の評価は高いって言ってるわよ?」
イキナリ何を言い出すんだろう。
ミラー越しに野波さんと一瞬目があって心臓が跳ねる。
「とっとんでもないです!わたしなんかじゃ釣り合いが取れないです!庶民は身の丈にあった人を探します」
「あら、そうお?お似合いだと思ったのに」
野波さんが無口になる。
先生の言葉が気に障ったのだろうか?
大体、誰も何も言わないけれど野波さんに恋人がいないはずないと思わないのだろうか?実力も外見もみんなが認める人なのに・・・・・・・・・・。
ギャラリーに着いて、車から荷物を下ろす。ディスプレイはギャラリーの人と先生とでするみたいなのでわたしのお手伝いもここまでだ。